「聴くこと」への意識が変わった、育休中に出会ったサードプレイス

卒業生:岸 詠子さん(海外在住、元マネージャー)

会社員として大手企業の課長職を務め、現在は家族の海外駐在に同行して海外生活をしている岸詠子さん。コーチングプレイスでのコーチング講座を受講されたのは、1年半の育休中でした。ご自身のコミュニケーションの改善やもやもやを解消することが受講前の目的でしたが、卒業の際には「私の人生、大丈夫かも」と思えたそうです。卒業して3年が経った現在のコミュニティとの関わりなど、詠子さんにお聞きしました。(こちらのインタビューは海外に渡航される前に行いました。)

「もっと人の話を聴けるようになりたい」からコーチング講座を受講

——詠子さんがコーチングを学ばれたのは、育休中ですよね。コーチングを学ぶことにされたのはどうしてですか?

プロコーチになるためというより、自分自身の課題を解決することが目的でした。

育休に入って半年が経つ頃、「育休中に何か学びたい」という気持ちがあったのに、学べていないことへの焦りを感じていました。「このまま育休が終わっていいのかな」と不安になっていた頃、代表の塙さんのメルマガで出会ったのが、コーチングプレイスでした。

「日々のもやもやがなくなる」「コミュニケーションが良くなる」「やりたいことが見つかる」「将来に希望が持てる」という風に書かれていたのが、自分の課題と合致していたことから、コーチングに興味を持ちました。とは言え、「本当にコーチングを学べば解決できるの?」という不安な気持ちもあり、事前の説明会に参加しました。

塙さんとのお話では、「途中で受講をやめても大丈夫(返金あり)」「支払いは1ヶ月毎で大丈夫」「育児を優先して、画面オフでも、休んでも大丈夫」といった説明をいただき、「もし合わなかったら、やめてもいいんだ」と安心することができたので受講を決めました。

——ご自身の感じていた課題について、特に解決したい課題はありましたか?

「コミュニケーションを良くしたい」という気持ちが特にありました。夫やママ友、会社の同僚といった方たちとのコミュニケーションの中で、「相手の話をうまく聞けていないんじゃないか」と感じることがあって。例えば、話を被せてしまうとか、話を変えてしまうとか…。3姉妹で育っていて、話さないと主張が通らない環境だったことからも、「聴くこと」への苦手意識がありました。

そういった背景から、「もっと人の話を聴けるようになりたい」という気持ちがありました。「コミュニケーションを良くするためのツール」としてコーチングを学んで、その上で「やりたいことが見つかればもっといいな」と思っていました。

承認の言葉が育休中に下がってしまった自己肯定感の回復につながった

——育休中の受講ですが、学ぶ環境はいかがでしたか?

まず、オンラインで1週間に1時間ずつ学べることが良かったです。育休中にまとまった時間を確保するのは難しいので、他のスクールと比較した時の決め手になりました。それから、動画をオフにして受講できるので、赤ちゃんが泣いてしまった時に授乳やおむつ替えをしながら受講できました。

また、欠席しても後から動画視聴できるところがありがたかったです。2回続けて休んだことがあったのですが、講師の方が連絡をくれましたし、サポートの方がセッション練習のフォローをしてくださいました。休んでしまっても、安心して受講を続けられる環境でした。

——育休中に学ばれてどんなことが良かったですか?

育休中は社会から離れてしまうので、自己肯定感が下がりやすい状態だと思います。日常的に話す人もいませんし、承認される機会もほとんどありません。ずっと会社員だったので、「何も働いていない…」というような気持ちになっていました。

そんな風に自己肯定感が下がった状態でしたが、コーチング講座では講師や同期からのたくさんの承認の言葉に励まされました。また、自分自身と向き合うことができたのが、コーチングセッションの時間でした。

コーチからの「本当に何もできていないのでしょうか?」という問いかけに対して、「子どもを産んでいるし、家事育児をしている、さらにコーチングまで学んでる」と自分の言葉で話すことで、「何も働いていないどころか、いろいろやってる!」と気づけました。コーチングを学ぶ中で、「ありのままの自分でいいんだ」と感じられたことで、自己肯定感の回復につながりました。

今振り返ると、育休中は子どもは小さくて会話ができませんし、話すことに飢えていたかもしれません(笑)。講座が毎週あったので、「来週の講座では何を話そう?」という風に、1週間を楽しみに過ごせました。育休中に人に話を聴いてもらえる環境にいられたことは、とても良かったです。夫やママ友とは違う居場所、サードプレイスでした。

コミュニティの存在が、初めての海外生活の不安を軽くしてくれた

——詠子さんが卒業されて3年経ちますが、コーチングプレイスのコミュニティとはどんな風に関わっていらっしゃいますか?

コーチングプレイスとの繋がりは、3年経っても濃くなっています。コーチングプレイスのコミュニティは「自分のタイミングで、自由に参加できるところ」が魅力です。関わりが薄い時があってもいいし、濃い時があってもいい。自分のペースで学ぶことができます。

例えば、応用講座である「マーケティング講座」や「自己基盤講座」を通じて、より生きやすくなる学びを得られました。有料講座以外にも、無料でコーチングセッション練習などのイベントが開催されているので、コミュニティの中で学び続けることができます。みなさんコーチングを学んでいる方たちなので、安心感を持って学べる環境です。

それから、コーチングプレイスの仲間といろいろな活動をしています。私の場合、困った時にイベントを開催することで、助けてもらっています。4月から夫の海外駐在に同行するのですが、海外に住むのは初めてで不安で…。インドネシアに駐在経験のある方と「海外生活・海外子育て」をテーマにイベントを企画したら、海外在住の方や駐在経験のある方たちから応援のコメントをたくさんいただきました。

他にも、「子育て中にキャリアをどう構築していくか」といったテーマでイベントを開催したことがあります。コミュニティのみなさんは経験や情報を惜しみなくシェアしてくれるので、私も喜んで経験をシェアしていきたいです。

——詠子さんにとってのコミュニティは、安心感を持って学び続けることや、不安を和らげることができる存在なんですね。

そうですね。コミュニティのおかげで、海外駐在への不安が大きな不安ではなくなっています。コーチングプレイスは講義もコミュニティもオンラインなので、海外に行ったとしても「つながっている人たちがいる」と感じられることが心強いです。もし会社しか居場所がなかったら、もっと不安に感じていたと思います。

居場所があって、困った時に声を上げれば助けてくれる。どこからでも学ぶことができる。そんなコミュニティがあるので、海外駐在も安心して迎えられます。

コーチング講座が終わった後、「私の人生、大丈夫かも」と思えた

——卒業後コーチとしての活動もされていますが、コーチング講座での学びはご自身にはどんな風に活かされていますか?

日々のもやもやが完全になくなることはないのですが、もやもやすることがあったとしても、「今悩んでいることはなんだろう?現状はどうなっているだろう?」という風に、セルフコーチングで整理ができるようになりました。また、セルフコーチングだけでは自分の思考の枠から出るのは難しいので、コーチに話を聴いてもらって新しい視点を得ることもしています。そういったもやもやを解消する手段が、コーチングを通じて得られました。

6ヶ月のコーチング講座が終わった後、「私の人生、大丈夫かも」って思えたんです。困ったり悩んだりしても、コーチングプレイスの聞き上手で承認をしてくれるコーチ仲間に話を聴いてもらえることがわかって、大きな安心感が得られました。

——受講前に課題だと感じてらっしゃったコミュニケーションについてはいかがでしょうか?

以前の自分との比較にはなりますが、人の話が聴けるようになったと感じています。普段の会話の中で、自分が喋りたくなることやアドバイスをすることは今でもありますが、無意識にやってしまうというより、そうした自分に気づくことができるようになりました。

気づくことで反省ができますし、次に活かすことができます。コーチとしてコーチングセッションをしている時間では、聞くに徹することができている実感がありますし、日常のコミュニケーションでも「聴くこと」を意識できるようになっています。

コーチングを学んでみて、「聴くこと」を学んだ経験がなかったことに気づきました。「話すこと」はトレーニングを受けたことがあるのに、不思議ですよね。コーチングを通じて、「どうやって聴けばいいか」を学べましたし、日々の実践を積み重ねて、「聴くこと」への意識が変わりました。

指示をしなくても、ただ聴くだけで変化が起きることが体感できた

——現在4歳のお子さんを育ててらっしゃいますが、コーチングを学んだことは子育てにも役立っていますか?

私の周りの子育て中の方は、「コーチングをもっと早く学んでいれば良かった。そうしていれば、子どもとの関わり方が変わっていたのに」とおっしゃる方が多いです。私自身は、育休中に学ぶことができて、早くからコミュニケーションに活かせて良かったです。

とは言え、「わかる」と「できる」の違いは感じています…。いつも子どもの話を聞けているかというと、そんなことはありません。ただ、「ママ、ぼくの話聞いて!」と子どもに言われた時に、「聞いてるのに!」と思うのではなく、「どうしたの?」と耳を傾けることができています。

コーチとしてクライアントさんの話を聴いてきた経験から、ただ聴くだけで変化が起きることが体感としてわかりました。指示しなくても、ただ聴くだけでいい。その体感が、子育てやコミュニケーションに活かされています。

100%の力で学ばなくてもいいから、学びを続けられる場所

——最後に、コーチングプレイスの受講を迷っている方へメッセージをお願いいたします。

コーチングを学ぶことで、人生がラクになりました。コミュニケーションが良くなりましたし、自分を俯瞰して見られるようになりました。

何かを学ぶ際に「100%学ばなくちゃ」と思う人って多いと思うんです。私自身、子どもが生まれる前まではそう思っていましたし、育児中の受講には迷いがありました。でも、代表の塙さんが「100じゃなくても、10でも20でも学びがあればいいんです。大事なのは積み重ねていくこと」とおっしゃっていて、その言葉の通りでした。育休中にできる範囲で学んでいたことで、復職後の多忙な時期にも、学びを続けることができました。

コーチングプレイスは、どんな関わり方もできることが魅力です。10の力で学ぶ人にも、100の力で学ぶ人にも、居場所があります。ありのままの自分を見つけたい方、もし迷っていましたら、ぜひ足を踏み入れてみてほしいです。

Photo: 雨森希紀
Interview/Writing: 加藤優花

岸詠子さんプロフィール

日系企業で広報、広告宣伝、地方創生の仕事に携わる。育休中にキャリアアップに繋がることをしようと考えていたのに、育児に追われて何もできず焦っていたときにコーチングに出会う。コーチングを学び、自分自身もコーチングを受けることで人間関係が改善し、目標達成のスピードが速くなっていく。自分の変化に驚くとともに、コーチングに惹かれコーチとしての活動を始める。

Kindle本「40代ママの育休を120%満喫する過ごし方: 職場復帰が楽しみになる学び、遊び、自分の癒やし方」